贋作に天才的な才能を持つレイ・カッターは、仮出所までわずか9カ月を残すのみだったが、ボストンの暗黒街を牛耳るキーガンに頼み込んで、急いで出所する。息子のウィルがガンに罹り、ひと時でも一緒にいたかったからだ。息子の世話を頼んでいた父のジョセフを訪ね、ウィルとの再会を果たすがふたりの間はぎこちなかった。詐欺師としてならしたジョセフは早い出所を怪しみ、キーガンの手を借りたと聞いて激怒するが、レイの心を知っているだけに強くはいえなかった。キーガンは出所を早めた交換条件として、新たな犯罪を命じる。ボストン美術館に展示されるクロード・モネの「散歩、日傘をさす女」の贋作をつくり、本物とすり替えるという計画だった。本物の絵はキーガンをも動かす大物が欲していたのだ。与えられた時間の猶予はわずか3週間。さらに悪いことに、キーガンを監視していた覆面捜査官がレイをマークするようになった。レイは摸写をはじめる傍ら、ウィルの限られた時間を有効に使うため、ウィルを母親に会わせ、彼の初恋の相手に会いに行くように仕向けるなど、息子の願いを実現していく。ウィルは次第に心を開き、父の計画に参加することを決意する。いよいよ決行当日、レイ、ジョセフ、ウィルの3人に、レイの幼なじみカールを加えた4人は、ボストン美術館に向かう。捜査官たちを煙に巻き、彼らは驚くべき大胆さで強奪計画を実行する―。
公開年月日:2014-09-10