願い叶ってダライ・ラマ14世法王、テンジン・ギャッツォに会うことができた女性ジャーナリスト、ラニ・シン。この作品は、彼女の取材に至る日々に迫る中で、中国のチベット弾圧や法王のインドへの脱出劇を克明に追ったドキュメンタリーだ。法王は、1959年に2度目の脱出を果たして以後、チベットへの帰還はできていない。1989年にノーベル平和賞を受賞したことで、中国政府から命を狙われる存在にもなった。若かりし頃の法王に撮影を許された唯一の写真家が残した写真や、法王に仕えてインドの道中を案内した当時の行政官の回顧を交え、法王の慈悲深さやチベット人の厚い信仰心を映像に収めている。中国政府によって破壊されてしまったチベットの文化と精神は、今も受け継がれている。
公開年月日:2022-03-31